なぜ、南半球の小さな島国がヨットとラグビーについては異常なほどの強烈なパワーを発揮し、それぞれの世界の頂点に君臨しているのか。ちょっとした、世界の不思議のひとつと言えるのかもしれない。
 ピーター・ブレイクは、1948年生まれの50歳。やはり、ニュージーランドの伝統に従い(?)5歳から家族とともにセイリングを始め、8歳のときには、セイリング入門艇としてニュージーランドでもっともポピュラーな、しかし、とても子ども用とは思えぬほどハンドリングの難しいPクラスという自分自身のヨットを所有。その後、腕をあげるとともに数タイプのディンギーを乗り換え、16歳のときには、すでに50フィートの外洋レース艇に乗り組んで1200マイルものロング・オフショアレースに参加し、18歳で23フィートのヨットのオーナーになったという根っからのセイラーである。その後の活躍は枚挙に暇がないが、前述の世界一周レースやアドミラルズカップなど、数々の外洋レースでの活躍が認められ、3度の叙勲を筆頭にセイラー・オブ・ザ・イヤーやスポーツマン・オブ・ザ・イヤーなどの受賞歴も多く、密度の濃いセーラー人生を過ごしている。