荒木 汰久治 (あらきたくじ)
大学在学中にライーフセービングの本場「オーストラリア」に留学。
日本では数少ない「ナショナル・サーフコーチレベル1」の資格を所有。

ライフセーバー専用カヌーの「サーフスキー競技」では 全日本選手権3連覇。
国内では負けを知らず、現在は世界を目標に頑張っている。

【油井】
律子ちゃんは、こちらに荒木さんがいらしてますが・・・好みのタイプだそうで(笑)
【rituko】はい!
【油井】今日はオレは黙ってますんで、ひとりで聞いてくれます色々?
ふたりっきりで・・・オレ出てってもいいよここ。
【rituko】いやいやいやいや、でもホント楽しみにしてましたので、色々お聞きしたいと・・・
【rituko】
まず、ライフセービングって、私あまり詳しく知らないんですけれど、ライフセービングとライフガードの違いからお聞きしてもいいですか?
【荒木】日本語訳にすると両方とも人命救助で同じ意味なんですけど、僕らの中では違う意味なんですね。
ライフガードというのは、それをプロフェッショナルに行っている人たちの事をいいます。
すなわちそれで生活している人たちの事ですね。
ライフセービングっていうのはですね、人の命を助ける。もしくはボランティア活動をする。ビーチクリーン...ゴミを拾う。
奉仕的な意味ですよね。
【油井】ただその、ゴミ拾いは誰でも出来るだろうけど、人命救助となると資格がいるよね。誰でも出来る訳じゃないし...
【荒木】
資格体系というのも、もの凄くはっきりしていまして、実際に海の中で溺れる人を助けるという技術とか体力というのは、実際にやってみるとよく分かるんですけど、もの凄く大変な事なんですよね。

例えば、自分の子供が溺れているのを目の前にして、お父さんが助けにいって、そのままお父さんが溺れてしまうというのもよくある事なんですけどね。人をひとり助けるのがどれだけ大変かという事をライフセーバーもしくはライフガードは全員わかってる訳ですよね。で、ライセンスもどこまでだったらレスキューに行っていいのか?だとか、それとも行かない方がいいのか・・・

【油井】そうだよね
【荒木】行って、自分が死んでしまったらしょうがない訳で、かなりそういったシリアスなライセンスなんですけど、
【油井】いい加減に発行できないよね。
【荒木】ええ、勿論人工呼吸から、心臓マッサージといった、溺者に対処する処置の・・・
【油井】そうだよね、一刻も早くだから・・・そういう技術があれば、助かる人が随分多くなるよね。
【荒木】そうですね。
【油井】
ただ、行かないっていう判断っていうか、溺れている人をすぐ助けにいったら、しがみつかれたりしてもうダメなのよ自分も。
だからちょっと悪いけど、行かないで待ってたりするのね?
【rituko】実際、自分の背中になんか乗せたら、自分が沈んじゃいそうじゃないですか。どういう風に?
【油井】色んなやり方があるんだろうけど、アゴ持ってひっぱる時もあるよね?
【荒木】そうですね。
基本的には必ず浮力体を持って助けに行きますよね、それが例えば流木であったり、例えばプラスティック・バッグであったり、なんでもいいんですけども、レスキューのものがなければ、まわりにあるモノを利用する。何もなくて体ひとつで助けに行くっていうのは、僕はまだ経験がないです、一度も。
サーフスキー(ライフガード専用ボード)
【油井】あらゆるところで聞かれていると思いますが、何故ライフガードになろうという
【rituko】いつ頃から目指して、どういう風なきっかけで始めたんですか?
【荒木】高校生の時、海のない県に住んでたんですよ。
出身は九州の熊本なんですけど、父の転勤で全国津々浦々の生活してたんですね。
たまたま学生時代、中学生、高校生、全部海なかったんですね(笑)岐阜県と山梨県にいたんで・・・
【油井】あはは、海ないよね。山梨のクセに海がないっていうね・・・
【荒木】
それで、泳ぎは出来たんですけど、水がまわりになかったんで、水と海に対する憧れっていうのがあった・・・ところに、教育実習の先生って毎年来るじゃないですか。僕が高校3年生の時に来た先生がライフガードだったんですよ。
【油井】それは影響でかいね。で、その先生がいい先生だった?
【荒木】いい先生でですね、カッコよくて!。
で、めちゃめちゃごつくて、その頃にあったロン毛茶髪のサーファーみたいな・・・憧れちゃったんですよ。そのカリスマ性がドン!と来た訳ですよ(笑)

体育の先生だったんですけど(その学校出身・先輩なので)高校時代海なかった訳ですよね。その人も大学に入って、海に興味あったんでしょうね、ライフガード始められて、大学4年生の教員実習っていうんですか?その時に僕が高校3年生だった・・・
【油井】だけどね、辛いでしょ、やってみると。
なんでも本気になったとたんに・・・
でも乗り越えちゃうんだな、どこに魅力があるんだろう。

【荒木】まず、始めたきっかけはそういう事で、それからのめりこむきっかけってまた違うじゃないですか。
僕がこういう生活してるのも、のめりこみきっかけがあったんですけど。
日本の夏の時期にですね、本場のオーストラリアから、ライフガードの先生が来られてたんです。その方を頼って、シーズンが逆になった冬の時期に、オーストラリアに行った訳ですよ、観光で。
で、初めて外国の、本場のライフセービングってのを見て、ま、下手ながらトレーニングにも参加させて貰ったんですけど、その時に実際に、ま、日本とは比べものにならないぐらいの大きな波で実際に溺れる経験をした、助ける勉強をしにいったんですけど、実際に溺れて、苦しさをまず知ったですね。

目の前が真っ白になって・・・苦しいっていう、その上っていうのがあるんですよね、気持ちよくなってしまう、
その瞬間「ああこうやって人は死んでいくのかな」っていう恐怖感っていうのがあるんですよ。
・・・面白いのが、助けられたのが16歳か17歳の女のコに助けられたんですよ。
【rituko】オーストラリアって子供の時から、そういうトレーニングをやってますよね。
【荒木】ええそうです。
トレーニングもいっぱい人がいて50人ぐらいでやるんですけど、そん中に女のコもいればマスタークラスもおじさん達もバリバリやってる元気な人たちもいる訳ですよね。
【油井】それで助けられて、思い切りこれだ!って?
オレも何回か溺れた経験ってのあるけど、もう怖くなるじゃない?入りたくなくなるよね?パニくる人も結構多いでしょ。
【荒木】(笑)はい、そうですね。
【油井】
この人(rituko)なんか、なんでもパニくる。
【rituko】はいはい、そうなんです(笑)

アウトリガー・カヌー
【油井】最近なんかはハワイから外洋カヌーみたいのが来たんですって?
【荒木】そうです、アウトリガー・カヌーっていう6人のりのね。
僕が乗ってるサーフスキーとは別に、横にアマとヤクという浮力体がついているカヌーですよね、掛け渡してある・・・2艘式のカタマランですね。浮力体の方が小さくなってるんですけど。そうする事によって安定感があって、
【rituko】片方しかなくてアンバランスっていう感じがするんですけど、
【油井】
何もない方が自由はきくんだけど、そのかわり真っ直ぐにしている事に神経や体を使わなきゃいけないけど、かたっぽ頼ってれば、かたっぽだけ気にしてればいいという。
カラダについちゃうから、やりだすと関係ないけどね。でもかたっぽついてるとついてないじゃ、全然違うよね。
【荒木】全然違いますね。
【油井】この前、それが日本に来たんでしょ?
【荒木】僕が持って帰って来たんですけど・・・乗って来たんじゃないですよ、船便で送った(笑)
【油井】でも乗ってくるやつもいるんだよね(笑)何フィートあれ?10何メーターでしょアレ?
【荒木】この前40フィートのトレーラーで後ろ出てましたから、45フィート?
【rituko】その写真は?
【荒木】ありますよ。
【rituko】おおオメガマークが?
【油井】綺麗な船でしょ?
【荒木】それで「アウトリガーカヌー・クラブ・ジャパン」というのを作りました。
チームですよ。クラブを日本に作ったんです。

僕は何故これを日本に作ろうと思ったかというと、一人のりのサーフスキーで、ハワイで行われているモロカイレースっていう、伝統的な有名なレースがあるんですが、そのレースに一人で僕出てたんです。
一人用のレースもありますし、このアウトリガーカヌーのレースもあるんですよ、チームでやるね。
で、僕ひとりでやってて、面白い事をひとりでやって自己満足するのもやだし、みんな共有したくて、去年僕らチーム作って、このアウトリガーカヌー・クラブ・ジャパンでレース出て、日本人で初めて挑戦して初完走したんです。
しかも結構順位も良くて、106チーム中35位に入ったんです。
【油井】へぇええ、あれリタイヤする人多いよね、あのモロカイ。チャンネルでやってるやつでしょ?
【荒木】そうです。途中で飛び降りてメンバーチャンジをするレースで、
【油井】凄いんだよね、あそこは狭くて流れが凄い・・・
【荒木】あと風とうねりが・・・
【油井】全然治まらないところなんだよね。
【荒木】
で、今度は、じゃあ次のステップとして日本で、そういう場所を作って、僕らクルーだけではなくて、一般の人たち、アウトリガーとは何かを実際知らない人たちに、こういったものを紹介して、乗って貰ったりだとか、メンバーになってもらって体験して、で、世界を目指す僕らトップクルーはトップクルーで世界を目指す。それ以外にマスターズのおじさんチームだとか、子供達がのってもこれはコケない訳ですから、みんなでチームを作れば巾が出て来ますよね。
【rituko】・・・どこに行けば乗れるんですか?
【荒木】神奈川県の葉山にある大浜海岸という所です。
【油井】
(写真を見て)おおタイガー・エスペリがいる・・・
【荒木】そうです、来て貰いました。
【油井】あの人も、ポリネシアン・カヌーでホクレアにのったクルーのひとりだけれども、いいねぇ。
オレもメンバーにして貰おうかな?
【荒木】ええ是非!
【油井】えーとコワいから見てる(笑)
【荒木】(笑)大丈夫です。モロカイに出る訳じゃないですから。

【油井】なんかレースをやるんですか?

【荒木】
僕らアウトリガーカヌー・クラブ・ジャパンが主宰でカナカ・イカイカ・ジャパン・シリーズ・・・カナカ・イカイカっていうのはハワイ語で、男達の勇姿っていう意味なんですが、日本の冬場ハワイで僕が参加しているレースの名前を貰ってきてですね、日本で一人乗りのパドリングレースをやろうじゃないかと、2000年を機に始めたんです。
で、日にちが2000年8月19日の土曜日。次が9月の30日。10月の21日にあります。

お問い合わせ先
株式会社グローバルライフ内 カナカ・イカイカ・ジャパン事務局(担当;但野)
〒231-0032
横浜市中区不老町2-9-1 ワイズビル7F
TEL 045-640-1933 FAX 045-222-6688

【rituko】
あの最後に・・・胸板を触らせて貰って・・・いいですか、触ってみたいんです・・・。

【荒木】
いいですよ(笑)
【rituko】
ああ〜私のよりおっきいですね。
【油井】
(笑)何をバカな事を・・・
本日はどうもありがとうございました。期待してますので、頑張ってください。
正にパワーのある、しっかりとした好青年...
「笑顔がステキ!」と律子ちゃんもメロメロなのでありました。
荒木汰久治 + 油井昌由樹 + 長井律子
at BAR[After the Sunset]